アンジ〜♬ アンジィ〜♪
リマの中央市場の名もなき店で、二食目の朝食を食べていたら、頭の中でミック・ジャガーが歌い出した。
この後にチチャロンサンドという、重量級の朝食が待ち構えていたのだが、地元の人が食べるのを見ていたら、制御が聞かなくなった。
出来ますものは、「Caldo de Gallina廃鶏のスープラーメン 8ソレ (250円)」。「Caldo de Cabeza山羊の頭のスープ 10ソレ(330円)」。「Caldo de Pataska 内蔵スープ8ソレ(250円)」。
「どれ食べますか?」と太田シェフに聞かれ、「全部」と答える私がいる。
一同も、当然賛同。
☆ 鶏のスープは、みっちり浮いた鶏脂が、バターのような香りがして、淡味ながら濃厚というジレンマを見せつけてやられる。
そして麺は、茹ですぎるまでに茹でたリングイネ。
☆ 内蔵スープは、ハツにハチノスが入っている。よく掃除がしてあって、臭みなく、食感がいい。
そして白濁したスープは、トウモロコシの匂いが漂うソルロンタンといった風情。誰か東京でこのスープを飲ましてくれ。
食べていたら食堂のおじちゃんが、ミントの刻んだのをたっぷり入れるとおいしいぞと、ジャスチャーしてくれる。お教えに従ってこんもり乗せりゃ、もう止りません。スプーン持つ手が止りません。
☆ そして山羊頭スープ。山羊の頭のかち割ったのがごろんと鎮座していらっしゃる。スープは、内蔵スープににて、淡いがじわじわと深くなっていく滋味。
途中で頭をいかせていただいた。下あごの部分を取り外し齧りつく。
おお、これはコラーゲンの固まりでクニュンくにゅん。この山羊君(山羊ちゃんかもしれないが)よく草を食べていたのね。
あの草を食む姿を見ていれば、絶対下アゴの方がうまいと踏んでいたのだがその通り。
こいつもミントをたっぷり、レモンを絞り、唐辛子とタマネギとネギの刻んだ薬味を入れて味を引き締めた。
滋味、酸味、香り、辛味、渾然一体となろうとした瞬間、ミック・ジャガーが歌い出した。
ストーンズもジャマイカで食べたのかな。